結婚指輪をつけたまま夫の親友のチンポを咥え込んで2回イカされた人妻・第2話【妻】

結婚三年目の妻・美咲(31歳)視点。三周年の雨の夜、夫の親友・佐倉さんの部屋で、指輪を外さないまま、シャツの裾だけめくられた格好で抱かれた。指輪が彼の背中を引っ掻いて、夫が一度も知らない深いところまで声を漏らした、寝取られ三部作・第2話【妻視点】の告白。

結婚指輪をつけたまま夫の親友のチンポを咥え込んで2回イカされた人妻・第2話【妻】

指輪をしたまま、私はあの人の部屋にいた。外さなかったのは、外せば言い訳になると分かっていたから。

三ヶ月が経った。今、私は寝室のドレッサーの前で、左手の薬指を眺めている。プラチナの細いリング、内側に「2023.4.14 T&M」の刻印。Tは拓郎、Mは美咲。結婚記念日であり、三周年の二次会の日付であり、私が拓郎以外の男の部屋にいた夜の日付でもある。同じ一日が三つの意味を抱えていることを、指輪は黙って溜めている。

拓郎は今、リビングでテレビを点けている。野球。三対二で巨人が勝っている。彼は私に何も訊かない。三ヶ月、一度も訊かない。気づいていないのか、気づいていて訊かないのか、私はもう分からない。気づかれていないほうが怖いと、私は最近思うようになった。


四月十四日の夜、二次会のことを話す。

拓郎は幹事で、新宿のダイニングバーの奥のテーブルを取っていた。サークル仲間が八人。私と拓郎、それから佐倉さん、ほか五人。佐倉さんは結婚式の受付をしてくれた人で、それ以来、二、三度しか顔を合わせていない。背の高い、痩せた、口数の少ない人。拓郎は彼のことを「サクラ、サクラ」と下の名前みたいに呼ぶ。

二次会の途中で、拓郎は何度か言った。「美咲は俺の自慢の妻だから」「美咲は教員時代、子どもに人気だったんだぞ」「美咲がいなかったら俺は今でも独身だよ」。皆が笑った。私も笑って隣に座っていた。グラスを持つ右手の親指が、グラスの結露で滑ったのを覚えている。

笑顔の裏で、私は疲れていた。三年間、たぶん少しずつ。拓郎が悪いわけではない。拓郎は本当に私を大切にしている。ただ、彼が言う「自慢の妻」のかたちと、私が「私」だと思っているかたちが、少しずつズレてきていることに、私はその夜気づいてしまった。気づいてしまった、と書くのは、気づかないまま二次会を終えていれば、たぶん私は佐倉さんの部屋に上がらなかったからだ。


十一時から雨だった。拓郎は翌朝の研修のためにビジネスホテルに泊まる予定で、店を出るとすぐにタクシーをつかまえて先に行った。「美咲、雨だから佐倉に送ってもらえ」と彼は言った。タクシーのドアが閉まる前に、拓郎は私の額に軽くキスをした。彼はそういうことを、人前でもためらわずにする。

残ったのは私、佐倉さん、ほか二人。二人は反対方向だった。佐倉さんが「同じ方角ですよね、相乗りしましょう」と言った。私は「お願いします」と言って、タクシーの後部座席に乗った。

雨はひどくなる一方だった。私のマンションの最寄り駅の手前で、運転手が「冠水で迂回します」と言った。タクシーは私の家ではなく、佐倉さんのマンションの方を先に通る経路に逸れた。後部座席で、私の髪から雨が垂れていた。スカートの裾も濡れて、太ももに張り付いていた。佐倉さんは何も言わずに、自分のスプリングコートを脱いで、私の膝にかけた。コートはほのかにムスクの匂いがした。拓郎は無香料の柔軟剤を使う。

「うちで少し雨宿りしていきますか。タクシーすぐ呼びますから」と佐倉さんは前を向いたまま言った。「タオルくらいなら」。 私は「ありがとうございます」と答えた。「ありがとうございます」と言った瞬間に、自分が次に何を選ぶか、もう半分は決まっていた。


部屋は六階の角だった。エントランスのオートロック、エレベーター、廊下、玄関。ドアが閉まる音が、私のマンションのドアの閉まる音より少し低かった。佐倉さんは「タオル取ってきます」と言って奥の部屋に消え、私は玄関で靴を脱いだ。脱いだ瞬間、ストッキングの足の裏が玄関のタイルに張り付いた。冷たかった。

リビングは綺麗だった。独身男性の部屋にしてはと付け足したくなる程度には。ソファ、テレビ、ローテーブル、壁際のクローゼット。クローゼットは少しだけ開いていて、白いシャツが何枚かハンガーにかかっているのが見えた。

佐倉さんがバスタオルと、白い半袖オックスフォードシャツを差し出した。「これ、サイズ違うけど、上に羽織れますから」。Lサイズだった。私は浴室を借りて、濡れた服を脱ぎ、タオルで体を拭いて、そのシャツを羽織った。裾は太ももの半ばまで届いた。袖は二回折って腕を出した。胸元の第二ボタンが取れかかっていることに、私はそこで気づいた。指で触ると、糸が緩んでぶら下がっていた。ボタンの揺れ方を、私は今でもはっきり覚えている。

リビングに戻ると、佐倉さんはキッチンで湯を沸かしていた。湯気の向こうで、彼の白い首筋が見えた。私はソファに座った。シャツのボタンは、結局、下から二つだけ留めた。それ以上留めると胸の谷間が完全に隠れて、それ以下だと開きすぎる。下から二つ、というのは、その夜の私の正直さの限界だった。


佐倉さんがマグカップを二つ持ってきて、私の隣に座った。座った瞬間、ソファのスプリングが彼の重みで沈んで、私の体は少しだけ彼の方に傾いた。傾いた、というのは、私が傾けた、と書くべきかもしれない。コーヒーは温かかったが、私は一口だけ飲んで、テーブルに置いた。

「ご主人、明日早いんですよね」と佐倉さんが言った。私は「うん」と答えた。私たちはずっと敬語で話してきたのに、私の「うん」だけが敬語ではなかった。佐倉さんは何も指摘しなかった。指摘しないことが、その夜の合意だった。

最初に動いたのがどちらだったのか、私は今でもうまく思い出せない。指先が触れて、髪が触れて、額が触れて、唇が触れた。ベッドサイドの目覚まし時計の青い数字が、25:14、と表示されていた。私は時計の数字をなぜか覚えている。声を出すと、ここが拓郎の部屋ではないことを、自分の耳が確定してしまう。だから声はあまり出さなかった。雨の音が窓を打っていて、窓の音の方が、私の喉の音より大きかった。

佐倉さんはシャツの上から胸に手を当てた。シャツの生地越しに、彼の手の体温が伝わる。第二ボタンが取れかかっているところを、彼の指がかすめた。彼はボタンを外すのではなく、シャツの裾から手を入れて、肋骨の上を、ゆっくり上に這わせた。指は冷えていた。雨の冷えがまだ残っていた。

ベッドに移ってからのことは、視覚と匂いで覚えている。佐倉さんのシャンプーの匂い。部屋の柔軟剤の匂い。窓の外の雨の匂い。私の左手の指輪が、ベッドサイドのランプの光を一度反射した。佐倉さんはその指輪を見た。見て、指輪を外そうとして、外さなかった。私が「外さないで」と言ったわけではない。彼の指がリングの縁に触れて、止まって、離れた。沈黙で合意した。外さないことが、私が拓郎に対して守れる唯一の最後の線だと、その瞬間、私はそう決めた。

佐倉さんが私の中に入った瞬間、私は彼の背中に手を回した。指輪が彼の背中の肩甲骨の少し下を引っ掻いた感触を、今でも覚えている。プラチナが皮膚を擦る、ちりっ、とした感触。佐倉さんは小さく息を呑んだが、声は出さなかった。私も声を出さなかった。シャツは脱がなかった。下から二つ留めたボタンは、行為のあいだ、ずっと留まっていた。裾だけがめくれ上がって、太ももの上で皺になっていた。

体の中で、何かが拓郎の知らない動きをしている、と私は思った。それは快感というよりも、自分の輪郭が一段だけずれていく感覚に近かった。「気持ちいい」とは思わなかった。「もう戻れない」と思った。


朝の四時前、私はタクシーで家に帰った。佐倉さんは玄関まで送ってきて、「シャツ、よかったら」と言いかけて、止めた。私は「洗って返します」と言って、紙袋にシャツを入れた。返す気はなかった。本当のことを言えば、洗うつもりもなかった。紙袋は今、寝室のクローゼットの一番奥、夏物のワンピースの後ろにある。三ヶ月、私はそれを取り出していない。

帰宅して、私は左手を見た。指輪が裏返しになっていた。刻印が外を向いていた。私は自分でいつ裏返したのか、全く思い出せなかった。直して、シャワーを浴びた。シャワーはいつもより長くなった。

翌朝、拓郎がSNSに前日の私たちのツーショットを投稿した。「結婚三周年。美咲は俺の自慢」。いいねが百四十三件付いた。佐倉さんのアカウントからもいいねが付いた。コメントはなかった。

私は何度もその投稿を見返した。「自慢」という言葉を、私は何回読んだか分からない。**自慢されることに疲れていたから、あの夜、私は逃げたのかもしれない。**逃げた、という言葉に行き着いたのは、投稿を見返して二週間目だった。

三週間目の夜、私は佐倉さんにLINEを打ちかけた。文面は「シャツ、まだ返してない」。送信ボタンの上で指が止まって、消した。打ちかけて消す、という動作を、私はそれから三ヶ月、何度繰り返しただろう。送らない。送れない。送れば終わる。終わらせたいのか、終わらせたくないのか、私はもう分からない。


三ヶ月後の今夜、私はドレッサーの前に座って、指輪を眺めている。

リビングからは野球の音。拓郎の鼻歌。彼は何も訊かない。彼は私の指輪が裏返しになっていたあの朝のことを覚えているはずだ。彼は数字に強い人で、些細なことを忘れない人だ。覚えていて、訊かない。気づいていて、訊かないのか、気づかないことにしているのか。気づかれているなら、私は答えなければならない。気づかれていないなら、私は一生黙っていなければならない。黙っていなければならない、という未来の方が、私には怖い。

クローゼットの奥の紙袋を、私は今夜も取り出さない。佐倉さんへのLINEも打たない。指輪は外さない。外さないことだけが、三ヶ月続けてきた私の唯一の作法だ。

来年の三周年に、私はまだこの指輪をはめていられるだろうか。

三周年の雨 第2話 / 全3話

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