親友の妻を結婚指輪を外させず中出ししてメス堕ちさせた俺の告白・第3話【加害男】

親友の結婚三周年の夜、雨で終電を逃した彼の妻を自分のマンションに上げた。指輪を外させない、シャツのボタンも外させない状態で抱いた。一年経った今、月一でホテルで会い、6月の中出し未遂を経て『拓郎』と呼ばせる関係になった。加害男・佐倉視点の告白・第3話。

親友の妻を結婚指輪を外させず中出ししてメス堕ちさせた俺の告白・第3話【加害男】

親友の妻と、雨で濡れたまま玄関に立っていた。あの夜のことを、俺はもう誰にも話さない。話さないと決めた日のことだけ、覚えている。

一年が経った。俺の名前は佐倉、三十四歳、IT系、独身。親友の名前は拓郎。大学のテニスサークルからの仲で、結婚式では受付を任された。拓郎の妻、美咲さんとは、結婚式以来、二、三度しか顔を合わせていない。「いなかった」と過去形で書くべきか、現在形で書くべきか、一年経った今も俺はその時制を決められない。

今、俺はマンションの自室のソファに座って、スマホを開いている。拓郎のSNSはミュートにしてある。三ヶ月前にミュートにして、解除していない。それなのに、拓郎との月例の飲み会には今月も顔を出した。今月で十二回目。一年欠かさず行っている。この矛盾を、俺は誰かに説明できる気がしない。


四月十四日、拓郎の結婚三周年の二次会の幹事を、俺は引き受けた。拓郎から「お前、店探すの上手いだろ」と言われて、新宿のダイニングバーの奥のテーブルを取った。サークル仲間が八人集まる席。当日、拓郎は十九時にネクタイを緩めながら来て、二十分後に美咲さんが少し遅れて来た。美咲さんは紺色のワンピースを着ていた。袖口に細い白いステッチが入っていた、というところまで覚えているのは、たぶん後から覚えたことだ。

拓郎は二次会のあいだ、少なくとも四回は「美咲は俺の自慢の妻だから」と言った。四回、と俺が数えているのは、五回目を言いそうになって彼が口を閉じた瞬間に俺がそれを意識したからだ。意識したというのは、つまり、拓郎の言葉を俺は他人の言葉として聞いていた、ということだ。「拓郎は本当に妻を自慢するのが好きだな」と俺が思った一瞬を、俺は今でもはっきりと覚えている。一瞬。たった一瞬の心の動きを、俺はあとで何百回も拡大して見ることになる。

二十三時、雨。予報になかった雨だった。店を出るとき、拓郎は翌朝の研修のためビジネスホテルへ単身でチェックインする段取りを話していた。これは三年に二、三度の慣習だと彼は言った。彼は妻を「酒臭い帰宅で起こしたくない」と言った。妻の顔を見ずに言った。

タクシーを呼ぶ前、拓郎は俺の肩に手を置いて、「美咲、雨だから佐倉に送ってもらえ」と言った。

この瞬間、俺は断る選択肢を持っていた。「同じ方角じゃないですよ」とか、「先に行ってください」とか、いくらでも言えた。俺はそれを持っていて、選ばなかった。選ばなかったということは、選んだということだ。一年後の俺は、それを認めている。


タクシーの後部座席で、美咲さんと俺は離れて座っていた。間に拳一つ分の空間があった。雨はひどくなる一方で、美咲さんのマンションの最寄り駅の手前で運転手が「冠水で迂回します」と言った。迂回のルートは俺の住むマンションの前を通る道だった。これは偶然と言える。偶然と言えるが、俺は迂回ルートを知っていて、知っていることを運転手にも美咲さんにも言わなかった。

後部座席で、美咲さんの濡れた髪から雨が落ちた。彼女の膝の上に、シミが一つできた。俺は自分のスプリングコートを脱いで、彼女の膝にかけた。「ありがとうございます」と彼女は言った。声が少し低かった。**この時点でまだ、俺は何もしていなかった。**コートを貸しただけだ。コートを貸したことを、後で「あれが始まりだった」と整理するのは、たぶん俺の側の都合だ。

「うちで少し雨宿りしていきますか。タオルくらいなら」と俺は前を向いて言った。 美咲さんは「ありがとうございます」と二度目の「ありがとうございます」を言った。二度目の「ありがとうございます」を聞いた瞬間、俺は何もしていない時間が終わったことを、車のドアの音より一秒早く知った。


部屋に上げてから、行為に至るまでの時間を、俺はあまり順序立てて話せない。タオルを渡した。クローゼットから半袖の白いオックスフォードシャツを出して渡した。Lサイズだった。美咲さんが着るには大きすぎる、と思いながら渡した。浴室を貸した。湯を沸かした。マグカップを二つ用意した。ソファに彼女が座って、シャツのボタンを下から二つだけ留めていた。胸元の鎖骨に、雨粒がまだ残っていた。粒が落ちないまま光っていた。

シャツの第二ボタンが取れかかっていることに、俺はその時気づかなかった。あとで美咲さんが覚えていることを、俺は知らないままだ。知らないままなのが、奇妙にこたえる。彼女は俺の見ていないものを覚えていて、俺は俺の側の小さな具体しか覚えていない。同じ夜なのに、同じ夜の一部しか共有していない。

ソファで隣に座ったとき、スプリングが沈んで、彼女の体が少しだけこちらに傾いた。その傾きを、俺は支えなかった。支えるか、押し戻すか、二択の動作を俺はしなかった。動作しないことが、もう動作だった。


ベッドに移ってからの時間を、俺は乾いた順序で書く。

シャツは脱がせなかった。下から二つ留めたボタンを、俺は外さなかった。裾だけがめくれて、彼女の太ももの上で皺になっていた。ベッドサイドのランプの光が、美咲さんの左手の指輪を一度反射した。プラチナの細いリング。光がリングの内側で曲がって、シーツに小さな点を作った。俺はその指輪を見て、外そうとして、外さなかった。

外そうとした自分の指の動きを、俺は今でもよく覚えている。リングの縁に指の腹が触れて、温度が皮膚の温度よりわずかに低かった。それから、止めた。止めた理由を、俺はその場で自分に説明した。「これがある限り、俺は親友のものを借りているだけだ」。借りているだけ、なら、いつか返せる。外してしまえば、返せない。外さない、ということで、俺は親友との関係性の最後の一線を残しているつもりだった。一年後の今、その理屈の薄さに、俺は毎週気づき直している。

彼女が俺の背中に手を回したとき、指輪が肩甲骨の少し下を引っ掻いた。ちりっ、とした感触が皮膚の上を走った。痛みではない。プラチナが皮膚の表面を擦って、線の形に温度が変わった、と書く方が近い。俺は声を出さなかった。**美咲さんが声を出さなかったから、俺も声を出さなかった。**沈黙が同調していた。窓の外で雨が窓を打つ音だけが、二人の喉の音より大きかった。

俺は美咲さんの体温と匂いを、自分の手と鼻の中に取り込んだ。美咲さんのシャンプーの匂いが、俺のシャンプーの匂いに少しずつ上書きされていく過程を、俺は鼻で観察していた。これは性的な観察ではなかった。たぶん性的な観察よりも残酷な観察だった。匂いの上書きは、関係性の上書きと同じ手順だった。

行為の後、シーツの位置が少しずれていた。直さなかった。美咲さんがバスルームに入っているあいだ、俺はベッドの端に座って、自分の左肩越しに鏡を見た。背中の引っ掻き傷は、まだそこにあるはずだったが、鏡の角度では見えなかった。


午前四時前、美咲さんはタクシーで帰った。玄関で、俺は「シャツ、よかったら」と言いかけて、止めた。彼女は「洗って返します」と言った。紙袋にシャツを入れて、靴を履いた。ドアが閉まる音は、彼女のマンションのドアの音より少し低かったはずだ。彼女が後でそう感じたかどうかは、俺の側からは分からない。

翌朝、拓郎がSNSに前日のツーショットを投稿した。「結婚三周年。美咲は俺の自慢」。**俺はいいねだけ押して、コメントを書かなかった。**書けなかった、と書く方が正しい。指がコメント欄の上で五分止まって、何も打てなかった。普段の俺なら、絵文字を二つ並べるか、「お幸せに」と三文字書く。三文字が、その朝の俺には書けなかった。

一週間後、背中の傷が薄くなっていた。鏡で見て、初めて自分が**「借りた」ではなく「奪った」**側に立っていることを認めた。借りたものは返せる。傷は返せない。返せないものを与えた時点で、それは借りではない。一年経って、俺はその朝のことを、自分の人生の小さな分水嶺として整理している。整理できているのに、行動は変えていない。

シャツは戻ってこなかった。同じ型のシャツを買い直さなかった。クローゼットの一着分の空白を、毎朝着替えるときに見る。空白を見るたびに、俺は美咲さんのことを思い出す、と書きたいところだが、正直に書けば違う。**空白を見ても、何も思い出さない日が、月に何日かある。**思い出さない日があることに、俺は事後でぞっとする。

三ヶ月後、俺は拓郎のSNSをミュートにした。ミュートの理由を聞かれた時のために、「タイムラインがうるさくて」という言い訳を用意した。誰にも聞かれていない。準備された言い訳は、誰にも消費されないままスマホのメモアプリに残っている。


一年後の今夜、月例の飲み会から帰ってきたばかりだ。拓郎と二人、新橋の居酒屋。彼は今夜、「美咲、最近少し変わった気がする」とハイボールのグラスを回しながらつぶやいた。

俺の心拍は上がらなかった。

**上がらなかったことに、俺は事後でぞっとした。**ぞっとしたのは家に帰って、靴を脱いで、リビングのソファに座って、十分くらい経ってからだった。十分のラグがあった、ということは、十分間、俺は何の動揺もしていなかった、ということだ。一年前なら、拓郎のその一言で俺の指先まで震えていたはずだ。今夜は震えなかった。

罪悪感はまだある。**だが、それが薄れていく速度に、俺は気づいている。**薄れていく、ということを、俺は止めるすべを知らない。止めようとすると、止めようとしている自分を観察してしまって、観察した瞬間にまた少し薄れる。

クローゼットを開けて、白いシャツの並びの中の空白を見た。空白の幅は、ハンガー一つ分。指輪の話も、シャツの話も、SNSの話も、これからは誰にもしない。話さないと決めた日のことだけ、覚えている。覚えているうちに、たぶんそれも忘れていく。

俺は罪を覚えていない。覚えているのは、覚えていないことだけだ。

三周年の雨 第3話 / 全3話 完結

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