28歳人妻が養生シートの上でリフォーム親方の指で2回イカされた・第2話【指挿入】
リフォーム業者の親方と人妻の木曜日・第2話。リフォーム二週目、雨の昼下がり、養生シートの上で『奥さん』と呼ばれた瞬間から、紺ワンピース越しに乳房をなぞられ、布越しに襞を擦られ、指の一節を内側に迎えた長い午後。指輪は外さなかった専業主婦の告白、続編。
新しいシンクに、湯を、ただ流している。
七月の雨の匂いを思い出すのは、いつもこの時間だ。午後の二時、窓の外がすこし暗くなって、遠くで雷の予感みたいな、湿った重さが空気に降りてくる。あの日も、こういう光だった。あの日のキッチンには、まだ何もなかった。流しもなければ、棚もなくて、ただ、養生シートの白い海と、剥き出しの配管と、それから——彼と、私だけがいた。
とぷん、と私の内側で、また何かが落ちる音がする。
二週目に入って、家中が彼の匂いに馴染んでいた。
朝の七時に来て、夕方の五時に帰る。その十時間のあいだ、家のなかの空気が、少しずつ、彼のほうに傾いていく。檜の削りかす、汗、薄い煙草、それから養生シートの不織布。私の家の空気は、もう先週の家のものではなかった。
七月の最初の木曜日、朝から雨だった。長雨の真ん中の、止む気配のない雨。子どもは月曜から林間学校で、その日は帰ってこない予定だった。夫は前日から大阪に出張で、明日の夜まで帰らない。家には、彼と、私しかいなかった。たぶん、彼もそれを知っていた。私が前の週に、何気なく、その話をしたから。
「今週はちょっと寂しいんですよ、家のなかが」と、私は笑いながら言ったのだった。「あ、そうなんですか」と、彼は工具を片付けながら、低く相槌を打った。それだけのやりとりだった。それだけのやりとりだったのに、私は、その夜から、この木曜日のことだけを考えていた。
朝、彼が来たとき、私は紺色のワンピースを着ていた。エプロンは白。髪は後ろでひとつに結んで、首筋を、わざと、出していた。先週、彼がタオルで首を拭いていた、あの動作を、思い出しながら結んだ。「おはようございます」と、彼が言った。一瞬だけ、私の首筋に、彼の視線がとまった気がした。気のせいだったかもしれない。気のせいでなかったかもしれない。私はその違いを、もう、自分で判定するのをやめていた。
支度には、思っていたよりずっと長い時間がかかっていた。鏡の前で、髪の結び方を三回、ほどいてやり直した。化粧水を、首筋の少し下まで、いつもより塗り広げた。下着を選ぶときに、たんすの引き出しの前で、私は数分間、動けなかった。何年も触られていない布だった。色を選ぶこと自体が、もう、ひとつの返事だった。私は結局、紺色のワンピースの下にだけ、白い、薄いものを選んだ。選んでから、自分の心臓の音が速くなっているのを、台所の前で、しばらく聞いていた。
コーヒーを、いつもより少しだけ薄く淹れた。前の週は濃く淹れた。今日は薄く。理由は自分でもわからなかった。たぶん、彼に長く飲んでほしかった。マグカップが、彼の唇のところに、長く、とどまっていてほしかった。それだけだった、と思う。
午前は配管のチェックだった。
新しいシンクが入る場所の、給湯と給水の最終確認。彼は床に膝をついて、剥き出しの配管に手を入れていた。私はリビングから様子を見ていた。先週みたいに、本を持っていなかった。本を読むふりをする余裕は、もうなかった。
「奥さん、ちょっとこっち来てもらえますか」
低い声で、彼が呼んだ。私はゆっくり立ち上がって、養生シートの上を歩いて、彼の隣に屈んだ。彼の汗と、檜の削りかすの匂い。それから、雨で湿った作業着の、少し重い匂い。
「ここ、手を入れてみてもらえますか。蛇口、ここで一回お湯を捻ると、どのくらいの勢いで出るか、奥さんの感覚で見てほしくて」
「あ、はい」
私は配管の隙間に右手を入れた。彼は私の隣で、レバーを少しずつ捻った。最初はちょろちょろと、それから、ぐっと量が増えて、湯が私の指の腹に当たった。「あ、熱い」と、私は反射的に手を引いた。引いた拍子に、私の手の甲が、後ろから添えられていた彼の手のひらに、触れた。
「奥さん、ここ、熱いですよ」
蛇口の話だ、と私は自分に言い聞かせた。蛇口の話、湯の話、ただそれだけ。彼の手は、私の手の甲から、すぐには離れなかった。三秒、四秒。指の節の硬さが、私の手の甲の薄い皮膚の上にとどまっていた。
「……はい」
私はそれだけ答えた。声が出なかった。
立ち上がるとき、私のひとつに結んだ髪の先が、彼の肩に触れた。彼は、退かなかった。雨音、冷蔵庫の駆動音、それから自分の鼓動。耳の奥で、それぞれの音が、別々の速さで鳴っていた。
「奥さん」
彼が、低く、もう一度言った。
その「奥さん」は、二週間で初めての、声色だった。仕事の声ではなかった。施主に対しての声でもなかった。私の名前を知らない男が、私のことを呼ぶために選んだ、ただひとつの呼び方だった。
私は、何も答えなかった。
代わりに、首を、ほんの少しだけ、彼のほうに傾けた。それが合図だったのか、彼にはわかったらしかった。彼の唇が、私の首筋に、貼り付いていた後れ毛をかきわけて、降りてきた。
舌が先だった。
唇よりも先に、温かくて柔らかいものが、私の首の付け根の、鎖骨の窪みに触れた。とぷん、と私の体の中で、また何かが落ちた。今度はもっと深いところで、もっと重く。私は息を吸って、それから、長く吐いた。エプロンの紐が、いつのまにかほどけていた。彼の指がほどいたのか、私がほどいたのか、わからなかった。
「奥さん」
彼が、私の鎖骨の上で、もう一度呼んだ。喉の奥で振動する低音が、私の皮膚を通って、骨まで届いた。
ワンピースの肩のところから、彼の舌が滑り降りていった。布の上から、それから、布をずらして、直接、肌の上を。乳房の、外側のふくらみから、ゆっくりと、円を描くみたいに。彼は急がなかった。彼の舌は、私が忘れていた順番を、ひとつずつ、思い出させた。乳房の先までは、まだ届かない。届きそうで、届かない。私は、立ったまま、養生シートの上で、足の指を縮めていた。
指は、来なかった。
舌だけが、降りていった。胸の下の柔らかいところ、肋骨の浮く脇腹、それから、おへその窪み。彼は屈んで、私のお腹に頬を寄せた。それから、ワンピースの裾を、ゆっくり、太もものほうへ捲り上げた。指はまだ、来ない。指を待っている自分が、自分でわかった。
「お願い」
それが、私の口から出てしまった、最初の言葉だった。
「……お願い、して」
何を、とは言えなかった。けれど、彼にはわかったらしかった。彼は私のワンピースの裾を、太ももの付け根まで持ち上げて、そこに、初めて、指を当てた。
人差し指の腹。指の節の硬いところ。下着の上から、布の薄い一枚を隔てて、彼の指は、私のいちばん柔らかいところを、上から下へ、ゆっくりと、辿った。
私はその場で膝が抜けて、養生シートの上に、半分崩れた。彼は私の腰を、もう片方の手で支えていた。「ゆっくりで、いいですよ」と、彼は低く言った。「奥さん、ゆっくり」
指は、布の上をなぞり続けた。布が湿っていくのが、自分でわかった。彼の指の節が、布越しに、少しずつ、私の内側を覚えていった。私の体は、何年も、その指を待っていたみたいに、たやすく濡れていった。
ようやく、下着の脇から、彼の指が入ってきたのは、私が、何度目かの「お願い」を口にしたあとだった。
「……っ」
指の腹が、私の襞の合わせ目に触れた瞬間、私は声にならない息を吐いた。彼は、入れなかった。表面を、上から下へ、ゆっくりと、丁寧に、なぞるだけだった。何度も、何度も、同じ場所を。私は、自分から、彼の指のほうへ、腰を浮かせていた。浮かせている自分が、はっきりとわかった。
彼は、私の左手薬指の指輪を、見ていた。
見ていて、外さなかった。指輪は、薬指に食い込んだままだった。彼はそれを、知っていて、そのままにしていた。私も、外してくれとは言わなかった。
ようやく彼の指の一節目が、私の内側に入ってきたとき、私は、養生シートの上で、長い、長い息を吐いた。雨音が、急に大きくなった気がした。窓ガラスに、私の手のひらの、湿った跡がついた。
どのくらいの時間が経ったのか、わからない。
気がついたら、私は養生シートの上で、半分裸で、彼の腕の中にいた。彼は、まだ作業着のままだった。彼の汗と、檜の削りかすの匂いが、私の髪の中に、深く染み込んでいた。
「奥さん」
彼が、また呼んだ。最後の「奥さん」は、最初のよりも、ずっと、優しかった。
私は答えなかった。代わりに、彼の作業着の胸のところに、額をつけた。彼の心臓の音が、私の額に、規則正しく届いた。夫の背中の呼吸とは、違うリズムだった。
外の雨は、まだ降っていた。家のなかは、養生シートの白い海と、剥き出しの配管と、私たちのほかに、誰もいなかった。
「来週、最終週ですね」と、彼が低く言った。
「……はい」と、私は答えた。
あと一週間で、工事は終わる。私は、それを、初めて、期限として、数えていた。指輪を、外さないままで。
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